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2013年 05月 03日
もうすぐ朝か、いよいよだな。 思えば、ずいぶん遠くにきた。 桃太郎と会ってから、ずっと立ち止まることなく歩きつづけた気がする。 思えば不思議な縁だった。 人間を信じられぬようになり、「一匹で生きていく」そう思っていた。 前の主(あるじ)と別れてから、行き先もなくさまよう日々。 なんでも食った。 動くものなら、鹿や猪から鼠や虫、大きなものから小さなものまで。 どんぐりや木の根も、食えるものならなんでも喰った。 どんなにひもじくても、たったひとりで食いものを手に入れてきた。 「団子を食わんか?」 地面にしゃがみこんだまま、桃太郎は笑顔でおれに話しかけた。 逃げぬのか? これまでも人間と出会うこともあったが、みな一様におれから逃げた。 「化け物だ」と言って石を投げてくる者もいた。 こいつは逃げないのか? おれは奴のことを見つめていた。 「旨いぞ。オレの母者が作った団子だからな。」 そう言って、手に団子を乗せておれの方へとつき出した。 人間から食べ物をもらうなど、久しぶりだった。 前の主(あるじ)と別れて以来、はじめてだ。 行き先もなく、さまよい歩いたおれに食いものを寄越すような人間などいなかった。 桃太郎は、笑顔でおれに話しかける。 「この団子を食って、おれの仲間になってくれ。」 まるで友にでも話しかけるかのような口ぶりだ。 気づくとおれは団子を食っていた。 人間など信用しない、そう思っていたはずなのに。 以来、桃太郎とずっと一緒だ。 おもしろい男だ。 ほかの人間がやるような、賢しいことは一切しない。 目の前にある、やらねばならないことをただ一心にやる。 獲物を獲ろうとすれば、犬のおれよりも獣じみた速さで追いかける。 ケンカになれば、相手をぶちのめすことしか考えない。 都で検非違使とやりあったときも、まるで鬼かと見紛うあばれっぷりだった。 「おもしれーな」 さんざん暴れたあとに、奴はおれたちにそう話しかけた。 魅力的な笑顔だった。 桃太郎と一緒にいるだけで幸せであった。 こいつと一緒に暴れたい。 こいつの笑顔を見てみたい。 仲間も増えた。 桃太郎だけでなく、猿や雉などと連れ立っていくとは。 不思議な男だ。 人には慣れぬのに、なぜかけものとならうまくやっている。 知らぬ間に、おれもあいつらと一緒にいることに慣れている。 桃太郎の魅力なのだろう。 鬼ヶ島か。 桃太郎の追いかけた夢だ。 いいだろう、あいつの夢なら叶えてやろう。 思いっきりたたかってやる。 桃太郎に近づく奴がいれば、全力でかぶりついてやる。 お前の背中はおれが守ってやる。 だからたたかえ、存分に。 (「桃太郎」より 犬の独白) ※「子どもの日」特集にしてみようかと思い始めました。 ←クリックしていただけるとやる気が出ます。
by H2_Ojaco
| 2013-05-03 16:57
| 写真
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Comments(2)
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